このブログが旅日記になって随分経ちます。とは言うものの、「旅行行ってきた」というエントリすら書くのがはばかられる時期が続きました。
実は、この数年の間に「DVD化されていないしたぶんされるはずもない」タイ映画を見るために夜行バスに乗って映画祭に行ったりもしているのですが、どうしても「こんなにコロナが流行っているのに外に出歩くのかよ」という反発があり得ることを考えるとエントリにしづらくもあって。
さらに、昨年末にはタイに行く予定もあったのですが、これも都合により直前キャンセルする羽目になったり*1。
いずれ、今回の話はそれらとはまた異なるものです。
きっかけは「鍋に弾丸を受けながら」
はてなブックマークでも時々話題になりますよね。「鍋に弾丸を受けながら」というマンガ。「治安の悪いところの飯はうまい」をモットーに、あちこちで釣りの合間に飯を食べているマンガです。
comic.webnewtype.com
これがやはりポストコロナで回顧編を続けて、復活したのが台湾編でした。
鍋に弾丸を受けながら 第18話「台南式海鮮粥」|コミックNewtype
で、気になったのが3話(+1話)あるうちの実質2話目にあたる、この話。
この連載は、基本的に店の名前を公開しません。だけど、なるべく実際に即した絵を(登場人物以外は)描くようにしている。
そこで、店の外観と、そこに行くまでの道のりと、他に比べている看板などをもとに、紹介した店を特定しようと考えました。
このホテルを特定するのは非常に簡単でした。
ちなみに、このホテル、1泊数万円します。台南のホテルの宿泊費が(自分の場合)数千円(3000円前後)ということを考えると、かなりの贅沢な旅行ですこれ。
ここから歩いていける範囲で「海産粥」をgoogle mapsで検索すると、これが数軒あるのです。
ところが、1軒だけ、他の店とレビュー数の桁が違う店がある。それが「佰九海産粥」でした。
台湾のGoogle Mapsのレビューは、星の数はそれほど信用おけません。みんな、普通に食べられれば5つ星をつけるからです。評価が低い場合、それは味というよりは店員の態度だったりする場合が多い。だから、レビューそのものの数を調べたほうが信用のある店を選びやすいです。
いずれにせよ、この外観、マンガで紹介した店と非常によく似ています。
実は紹介されている「別の店の看板」も、本当に隣接している他の店の看板にそっくりでした。それで、私はこの店を「台南で行きたい店」非公開リストの1つに加えることになったのです。
台南は近いようで遠いようでやっぱり近い
最近、台湾のLCCが日本行きの便をとても増やしています。これらの便は、台湾からの旅行者が日本を最も楽しめるスケジュールで運行しています。日本に午後到着して、台湾には夜遅くに着く。台湾からの日本旅行なら、3泊4日をめいっぱい使えるスケジュールです。これを日本人が台湾旅行で使うと、まる1日失うことになります。
一番の問題は、飛行機が21時台に空港に到着することでした。
久しぶりの台湾で、SIMカードも悠遊カードもほしい。でも、旅行代理店の現地調達プランはほとんどが「桃園空港第1ターミナルでの受け取りは20時まで」なのです。
探し回っているうちに、楽天トラベルのKLOOK提携プランだけが「第1ターミナルでも23時まで受け取り可能」であることがわかり、これを使いました。
experiences.travel.rakuten.co.jp
とは言うものの、実際に問い合わせるまで、何時まで受け取り可能か分からなかったんですけどね、これ。
近いようでやっぱり遠い、というのは、桃園空港から台南までどう移動するかにも関わります。
桃園空港から台南に向かうのには、3つのルートがあります。そのうち2つはバスで、もう1つが新幹線です。
バスのルートが2つあるのは、1つは何らかの方法で台北車站に向かい、そこから台南行きのバスを捕まえること。もう1つがそのバスに途中のサービスエリア「中歴転運站」で乗り込む方法です。正直な話、台南は台北とは逆方向なので、可能なら中歴経由で行ったほうが絶対楽ですし、以前これを使ったこともあります。しかし、これに乗るには、桃園空港のバス乗り場が空いていないといけない。どうも2021年あたりのコロナ時代には、桃園空港のバスの受付が夜間閉まってたらしいのですね。今でも運行しているバス会社の時刻表を見ると「予告なく休むから電話で問い合わせろ」(意訳)という但し書きが書かれています。こちとら中国語話せませんからね。これは「使えない」のと一緒でした。そうなると、遠回りでも台北車站経由で行くしかないわけです。
これは、Facebookで解決しました。
Ubusこと統聯客運が、Facebook Messengerでサポートしていたのです。ここにGoogle翻訳結果を貼り付けて問い合わせたら「今は桃園空港のカウンターは24時間営業だよ」という返事がありまして。
これで、なにかあった時の保険的移動手段も確保できました。
そうです、今回私は新幹線での移動を目指していました。台湾新幹線、駅は不便なところにあるけれども、やっぱり速いのですよ。バスですと、台南には翌日午前3時頃到着になるのが、新幹線だと、12時過ぎ、たぶん12時半には台南に到着できる。場合によっては佰九海産粥に初日にたどり着けます。
ただ、新幹線にもリスクはありまして。新幹線(高鉄)は桃園空港の下を通っていません。現在は桃園地下鉄が高鉄桃園駅まで繋がっていますが、この地下鉄の頻度がよくわからないし、移動時間も15分ほどかかる。そして、台南行き新幹線の最終は22時35分です。
21時に着く飛行機の到着時刻は、ゲートが開く時刻に過ぎません。これが正確だとしても、桃園空港での入国審査を含む全ての処理は1時間で済ませないと新幹線には乗れません。
つまり、今回少なくとも行きの便では荷物を預けられません。入国審査はなるべくスルーしたい。荷造りを含め、できることはなるべくやりました。
その1つが、オンライン入国申請です。
入国1,2週間前でも、ここに記入しておけば、入国審査の時にカードを書く必要がありません。それだけでなく、すべてPC経由での入力なので、他人でも(パスポートとかの)情報が分かればこれを代理記入可能です。正直な話、申請がうまくいったかどうかが全くわからないので、飛行機の中で念のため記入はしておいたほうがいいですけどね。こちらで一度書いておけば「現住所」がどこまで細かく書くべきかとかけっこうわかって便利でした。台湾に行く人は皆これで事前に書いておくことをおすすめします。
さて、特に今回座席指定はしませんでしたが、座席はかなり運がいい状態でした。同行者が1番前、私が2番目。ゲートが繋がったら真っ先に降りられる立場です。こういう時に日頃の行いが出ますね。結果として、入国審査が終わり、税関を通過して、制限区域最後の場所にある両替所で両替を済ませて(桃園空港おもての銀行は夜には閉まっていることがよくあり、ここで両替しないとATMでクレジットカードキャッシングする羽目になることが過去にありました)、おもてに出てきたのが21時20分でした。なんと、銀行の窓口、まだ開いてました。悠遊カード買える公式カウンター、(21時閉鎖のはずなのに)まだ開いてました。日本銀行券が入る自動両替機もきちんと設置されていたみたいでした。世の中、意外と元に戻ってます。KLOOKのカウンターで悠遊カードとSIM受け取ってMRT桃園空港駅についたのは21時35分でした。予定より30分弱早いです。あ、MRT入り口のカウンターも開いてました。
さて、新幹線です。台湾新幹線は現地の窓口で切符が買えますし、確か窓口では英語も通じたはずですが、今回のようなギリギリの流れではやはりオンラインが便利。事前にアプリはダウンロードしておきました。
jp.thsrc.com.tw
これの面倒くさいところは、切符購入に「予約」「支払い」「受け取り」の3段階が必要なこと。さらに、今回は同行者がいるので「配布」の合計4段階が必要になります。正直な話、スマホ1台では1枚のきっぷしか有効に出来ず、複数人で利用する場合は人数分のスマホが必要になります。もちろんそれらスマホには全てにアプリのダウンロードが必要です。
これを同行者にお願いするわけにはいかないので、個人的にもっていた2台目のスマホ(緊急連絡用で日本の電話番号が入ったまま)を準備し、これにeSIMを契約して現地での通信を有効にしました。このeSIMについてもそのうち書かないといけないことがありますが、とりあえず省略。
複雑とはいえ、やってることはえきねっとのオンライン販売とそれほど変わらない*2。結果としてMRTの待ち時間5分程度で2枚のチケットを買い、2枚を受け取って、1枚を配布することに成功しました。あ、そうそう、配布にはテキストを送信できる方法が必要です。多くの人たちはLINEかなにかで繋がっていると思うのでそれが簡単ですが、私自身、自分の2台のスマホで情報をやり取りすることを全く考えていなかったので、一瞬当惑。
最終的には、Google Keepを使って転送することになりました。必要なのはこのURLだけなのですが、さすがにこれを間違いなく短時間で手で写すのはつらいです。
22時すぎに高鉄桃園駅に着き、スマホを貸してQRコードで入場します。売店は構内の中。当然のように売店は7-Elevenです。適当に夕食を買って*3、
新幹線に乗り込みます。
弁当を食べて、悠遊カードのアプリへの紐づけを行って、高鉄アプリをダウンロードさせて、あっという間の1時間半。
高鉄台南駅に着きます。普段ならここで沙崙駅に移動し、台鉄台南駅に向かう列車に乗るのが常道なのですが、最終新幹線に接続する鉄道はすでに終わっています。ここは、
シャトルバス、H31番で移動します。新幹線が着いて10分後に出発するこのバス、高鉄利用者なら無料で乗れるのです。
バスで30分で台南市内に到着、そこから歩いて5分ほどで、
佰九海産粥に到着しました。1時前でしたがまだ営業していたようです。
マンガでは、
「ここは台湾語しか通じない」と書かれていましたが、台湾の食堂で注文するのはそれほど難しくありません。
注文伝票に、机の番号と、ほしいものを書いて注文するだけ。ところが、ここでトラブルが発生します。
しかし、台湾語要りませんでした。先方がGoogle Translateを使ってその理由を簡単に説明します。つまり、「海産粥の牡蠣もハマグリもないし、特製シーフードに入れるエビもないが、それでいいか?」だったのです。
ここのシーフードが単なる具に過ぎないことはなんとなく予想がついていたので、それで全然注文OK。
親切なお店の人は、こちらが日本人だとわかるとワサビも勧めてくれましたが、そんなの要らないくらい美味しかったです。
なお、この日、この店は我々が最後の客だったようです。その後に来た人は、先程の説明を聞いて帰っていきました。
あとは、Youbike2.0*4を使ってホテルに行くだけ。荷物が少ないのはこういう時楽ですね。
おやすみなさい。明日も早いです。