アユタヤのエビセンターとは、農民中央市場のことだった(大阪経由でタイへ・6日めその5)

さて、到着したエビセンターとは、実はここのことです。

看板がありますね。
「ตลาดกลางเพื่อเกษตรกร」
もちろんエビセンターという意味はここには全くありません。

最初の4文字は「市場」という意味の"タラート"です。タイに来たことがあればもう聞き飽きるくらいどこでも聞く言葉です。その次の数文字と合わせて「中央市場」という意味になります。次の"เพื่อ"はちょいおいておいて、その次が"農業労働者"という意味になるんですね。で、実は"เพื่อ”には"~のため"という意味がありまして、つまりここは"農民のための中央市場"という場所なんです。

เกษตรにはなにか聞き覚えがありました。バンコク中心部ちょい北に「カセサート大学」という大学があります。ここは現在でこそ理系全般を扱っているはず(文系学問をやっているかどうかまでは知らない))ですが、もとは農業大学で、まあ現在も農学には強いところです。

調べてみたら、やっぱりそのとおりでした。
カセサート大学 - Wikipedia

校名のカセサート(เกษตรศาสตร์)は本来タイ語では /kà.sèːt.trà.sàːt/ カセーットラサート と発音し、〈農学〉を意味する語であるが、この大学のことを指す場合は例外的に /kà.sèːt.sàːt/ カセートサート と発音する。

あとはこの言葉に着いている他の言葉です。"ตร"はなんとなく分かる通り"(働く)者"という意味。"ศาสตร์"は「科学」とか「学問」「知識」とか言う意味で、まあ学問っぽい言葉にはだいたいこれが付いています。これで語彙がまた増えました。
このせいで疑問も増えましたけどね。タイ語は基本的に後置修飾で、言葉を作るときもまず大雑把な分類があって、それからそれを就職する言葉が着くようになります。実際、ビジネスマンに相当するタイ語を調べると、ผู้ ประกอบการ*1、前半が「~する人」後半が「商売」となるのですね。その順番が農民の場合は逆になる。農業が主だと思われて人がその修飾になっているのか、それともこの言葉が何らかの都合があって逆になっているのか。知れば知るほど謎は増えるばかりです。

まあ、それはともかく、ここで売っているのは主に「エビ」です。どうもうちらにとっては「エビ」が農産物とは思えない、どちらかというと漁業のくくりになりそうな気もするのですが、まあ養殖エビですし、ここらのは海のものではなく淡水エビでもあります。そうなると畜産業に近いくくりになるのかもしれませんし、もしくはやっている人がもともと農民だったからここで売っているのかもしれませんし、もしくはこの名前が既に形骸化しているのかもしれません。気にならないこともないですが気にしないことにします。

それにしても、この建物の周囲はエビ売り場ばかりです。

Google Street Viewより

ストリートビューの撮影時間がズレていたためか、エビが実際に入っている水槽はこれしか見つかりませんでしたが、こんな感じの値札が書かれた水槽がどこを向いてもあります。ここに書かれている金額は1kgあたりの値段。高いほど1匹あたりの大きさが大きくなります。

とは言え、このエビは事前の確認用、もしくはここで生で買って帰る用*2にしか過ぎません。いくつかの水槽の裏にはレストランがあって、注文はそこで可能です。いくつかレストランはありますが、満席で入れないわけでなければ、とあちこちのブログで言われていたのが一番北にあるこの店でした。

流石に14時過ぎでピークは越えているので、この店にします。
もちろん最初に頼むのはエビです*3。エビにもいろいろな料理がありますが、当然の用に炭焼き、クン・パオです。今回は2人で来ているので躊躇なく1kg。タイ語でkgは「キーロ」で通じます。グラムが消えてる。頼むメニューの数によっては500gで頼むことも出来るんですが、こういう時には「半キロ」という言い方をします。ครึ่งกิโล、クルンキーロです。これは市場で果物を買うときとかにも使えるので覚えておくといいです。ただ、ここのエビは1人でも1kg食べられる、と主張する人もいますね。
で、これがそれです。

あとはイカのマナオ煮、

エビのすり身の揚げ物、

空芯菜の炒め物、

チャーハン、

なんかを頼みました。そう言えば、このチャーハン最初のエビの左下に写り込んでいますね。
やっぱりエビを焼くのは炒めるよりも時間がかかるようで、メニュー最初のページで最初に頼んだにも関わらず、出てきたのは最後でした。まあ、そのほうがラスボスっぽいというものではあります。

で、このエビ、大きいほうがいいのは頭の部分にあります。

すこしピンボケしていますが、エビみそが多いんですよ。そしてこれがうまい。

もちろん身もぷりぷりして旨いですけどね。

これくらい食べて、会計は2名で1200~1300バーツくらいでした。確かに安いです。
店名の看板を貼っておきますね。

กุ้งเพื่อนแพรว クン・プアン・プレーウ。
正直どれもよく聞く言葉です*4が、3つ重なると特定の意味があるのかどうか、どれがつながるのか一気にわからなくなります。特に最後のแพรวは、形容詞でもありますけれど、女性の人名(チューレン)にも使われるんですよね。実際にこの文字をコピペして画像検索してみてください。モデルもしくはアイドルの顔が山程出てきます。
まあ、3つ含めて固有名詞、ってことで、ここではあまり突っ込まないでおきます。

さて、もう少しだけ観光して、あと1つ名物を買って、帰りますよ。

*1:実際は空白は入れない

*2:推定

*3:実際には1つ1つ注文するのではなくまとめて注文しています

*4:กุ้ง(クン):エビ, เพื่อน(プアン):友達, แพรว(プレーウ):光り輝く