言論のモラルハザード

今ある自分の信用枠を使って、出た情報から考えられる最大限端っこのところに予測を持っていく。
経験的なものも含まれますが、レバレッジ、と言われているアレはそういう形で使われるものです。

大胆にもそれを自分の言論に適用するとは。なるほど経済学者は考えることが違うな、と、つくづく思わされます。

上り調子の時に当たれば、大きく評判を上げられるし、たぶん外れた場合でも「そう決定した向こうが悪い。日本は最悪の選択をした」とか「影にいる権力者がなりふり構わない陰謀で潰した」みたいな言説でリスクヘッジかけるつもりでいるんでしょう。

ぶり返しが怖い、というか、なんというか、今回アメリカの金融関係が信用収縮で大変なことになっているように、アルファブロガーな人がそういうことをやり続ければ言論バブルだってはじけそうだし、そうなればWeb言説全体の信用収縮、みたいなことが起きそうな気がするんです。

往々にしてそのときは、今回米国議会が世界恐慌に陥らないようにするために緊急資金供給の法案を通さざるを得なくなったように、「そうならないようにWebでしゃべっている人は全力で俺を救済しろ」みたいなこと、まあそれだとあまりにもあからさまなので「Webの言論を貶めようとする勢力がいる。そいつが悪の根源だ」てな感じで煽ることで、別の的を準備したり、下支えを要求したりするんでしょうかね。

かつ、そのときは、Web言論が信用を保つためにはその下支えは必要なことになってしまっているのかもしれないけど、なんでお前のバクチで失った信用を他の人間が支えてやらないといけないのか、みたいなことになって感情的には納得がいかないことになりそうでこわいですね。

世の中のことだと思って、そういう話を他人事として考えてみると、なるほど、経済理論ってそうやって使うのかと気付かされます。経済学って実生活に不可欠な学問なんですね、ほんとうに。