さて、やりたいことについては既に伏線が張ってあります、一昨日、池上で。
池上で買いましたよね、池上米を。
これはこのままでは日本に持って帰れません。ただ持って帰ると、植物検疫で取り上げられます。以前はごく少量をサンプルで渡せばその場で検疫を通れたんですが、数年前から検疫法が厳しくなりまして、持って帰る前にその国の検疫所で検疫証明書をもらわないといけなくなりました。
で、台湾ですとパイナップルが有名ですが、米も空港で即日検疫証明書がもらえる産品なのですね。
注意点としては、検疫証明書をもらうためには実物を植物検疫に持ち込まないといけません。まあそりゃそうだよね。
それから、台湾の米には輸出規制があります。1度に6kg以上*1を飛行機に持ち込もうとする、つまり輸出するときには当局に届け出が必要になります。
これについては台湾だけにオンラインで出来るようで、自分もとりあえずアカウント取ってみたんですが、どうにも手続きがわかりませんでした。これは検疫じゃなくて関税のほうの分野になるので、植物検疫では取り扱ってなくて、でもいちおう「申請しましたよ」という番号はどこかに提出するために持ってないといけないらしいと植物検疫に問い合わせて聞きました。まあ、今回は1.5kgだからここの手続きは免除です。
これについての植物検疫からのメールはこんな感じです(抜粋)。
According to the relevant regulations of Food Administration Act, milled rice must receive approval from the competent authority before it can be exported. Please apply for an export approval document for rice from the Agriculture and Food Agency, Ministry of Agriculture.
で、少数量のことを問い合わせた時はこんな感じ。
If you are unable to obtain the approval document from the Agriculture and Food Agency in advance, please ensure that the total weight of the milled rice you intend to export does not exceed 6 kilograms.
それから、植物検疫にも事前の連絡が必要です。これも同じメールで連絡が来ました。
Then, at least one day before departure, please reply with your application details: name, address, passport number, product name, quantity, weight, flight information, scheduled quarantine time, and the approval document of the Agriculture and Food Agency. This will allow us to pre-process your case, saving you valuable time.
この内容を、桃園空港を管理する植物検疫にメールする必要があります。実は植物検疫の事務所は台湾のあちらこちらにあるのです。間違いやすいのですが、どうも桃園空港は台北空港じゃないので、桃園市にある検疫に送らないといけないらしい。パイナップルの関係であちこちにメールアドレスが書いてありますが、どうもそれらは古いらしく、2024年10月現在のメールアドレスは ty05(atmark)tyaphia.gov.tw のようです*2。まあこれもそのうち古くなるかもしれないので、"桃園"にある"検疫"の"植物健康科"のメールアドレスを探してください。とりあえずこのエントリを書いている時にはこの3つのキーワードでメールアドレスがGoogle1番目に見つかりました。
これまでのエントリには書いていませんでしたが、私も花蓮に泊まった夜中にこのことを思い出しメールを既に送っています。
さて、桃園空港第1ターミナルの植物検疫はなんでそんなところにあるの?という場所にあります。
奥に見えるのは、到着ロビーです。到着した人がここに来るなら、この写真、飛行機から降りて預け荷物を受け取ってロビーに出て右に曲がって突き当りを右に曲がったらその通路の左にあるのですね。
うーん、説明が難しいな。しょうがないので地図で示します。
これが桃園空港の第一ターミナル、北半分です。青の丸が入国時に出てきたロビーで、赤の丸が動植物検疫の事務所のある場所。上記写真は青い矢印の方向に撮影してるわけです。
で、この地図の場合、右側が出発カウンターのある区域です。カウンターに向かって右側が近そうですよね。でもこの地図を見てください。この空港、非制限区域が100%制限区域を囲ってるわけじゃないのです。植物検疫に行く通路はない。まあ右側から行くためには、1度外に出る必要があるんですね。まあ歩道があるので別に通るのは大変じゃないですけどね、植物検疫を使う人はここを最低2往復する必要があります(後述)。
さて、植物検疫の中はこんな感じです。
これは事務所外のドアの外から撮影したので中途半端です。窓口はこの右側にあります。
で、検疫証明書を貰いたい旨お話します。まあここは事前に送った予定通りに到着していれば何の問題もありません。で、証明書を貰いたい品、今回の場合は池上米ですね、これを見せまして、きちんとパッケージされていることを確認してもらいます。植物検疫の人は別にサンプルを取ったりしません。まあ今回のこれは真空パックっぽいから開けられたらそれはそれで大変だけどね。
で、この場でも申請書類の簡単なのを書きます。物品名はRICE、物品数量はkg単位じゃなくて袋単位で(今回は1 bag)。購入金額。それに、申請人の名前とパスポート番号と住所を記入して、最後に今日の日付を書きます。そうすると、事前に準備されていた振込用紙を渡されます。はい、手数料です。検疫証明書をもらうためには、100元の手数料が必要なんですね。
で、これ、銀行振込です。振込用紙が台湾銀行専用のものらしくて、台湾銀行の窓口に行く必要があります。桃園空港行った人ならわかると思います。台湾銀行の窓口なんて、両替窓口としていっぱいあるじゃないかと。これらほぼ全部振込には非対応です。地図には「国内振込対応」って書いてありますが、適当な窓口に行ったら「地下にある台湾銀行の窓口に行け」と言われましたんでね。
ありがたいのかそうでないのかわかりませんが、ターミナル1はせいぜい地下1階で、到着側の地下にはバス関係の窓口くらいしかありません。つまり目指す銀行は出発側の近くにあるのですね。それがどこにあるかというと、桃園MRTの駅との連絡通路の境目にあります。言い換えると、植物検疫の反対側です。
先ほど2往復する必要があると言ったのはこのためです。この銀行窓口に振込用紙と100元を渡すと、特に何の言葉を発することもなく振込作業が無事終わります。で、この控えを持ってまた植物検疫に戻るのですね。
控えを植物検疫の係員に渡したところ、先ほどの申請書類の不備が発覚しました。1つは事前に送ったメールとの住所の不一致、もう1つは日付の書き忘れです。どうも住所は漢字表記、アルファベット表記を両方書かずに片方だけ、たぶんアルファベット表記のみで書いたほうがいいらしい。まあ日付は単なる書き忘れ、ということで書き込むのですが、ここで言われたのが「この書類には台湾歴の年号を書いてください」ということでした。
台湾歴、中華民国暦の方が正式名称なんでしょうね。知ってましたが使うのは初めてです。よく行くタイの仏暦すらすぐに忘れるし、下手したら今年が令和何年かも近頃は忘れがちなのに中華民国暦はちょっと把握してない。しょうがないので言われたとおりに書きました。言われたのは中国語読みですけどね。読み上げ、113じゃなくて1,1,3でしたわ。
で、あとは事前に申請していたとおりに作られた検疫証明書をもらって終了です。そうそう、申請書の物品名はRICEだけじゃなくて学名も必要です。米の場合はORYZA SATIVA ですね。これは以前タイで検疫証明書をもらった時に覚えたんで今回は迷うことなく書けています*3。
ところで、この台湾歴、既にあなたはこのエントリで見かけています。
こちらです。入口から真正面のところに電光掲示板があって、ここに今日の日付が書かれているんですね。
ちなみに写り込んでいる人は検疫の係官。この時間帯はこの人1人だけでした。
時間がかかったようにもみえますが、実は作業そのものは振込の手間を含めて30分しかかかっていません。まだ出発までは2時間あります。これは税還付もいけそうですね。次はそれにチャレンジしようと思います。