「市場駅」ことIchiba Stationは廃墟寸前だった(大阪経由でタイへ・8日めその6)

改札を出て北側にすぐに見えたのはこの光景でした。

日本人ならすぐに読めますよね。「市場駅」これが今回の目的地です。似たデザインに見えなくもないですが、手前に見えている市場の建物はこの「市場駅」とは別の施設です。
ここを拡大した写真も載せておきますね。

おそらく、Ichiba Stationがそのまま正式名称です。いちおうタイ語名も上にかいてありますが、「いちばすてーしょん」のそのままの読みで、「タラート」*1は使われていません。

建物は少し奥にあるように見えますが、実は手前の部分のアーケード的なところも含めて施設です。

横断幕が、オーナーの考える「クールな日本」を象徴しているような気がします。

駅を降りて入口に向かいます。気になるのはそのアーケードっぽい部分です。

全く営業しているようには見えません。しかも定休日というより、店そのものが入っていない感じ。

というわけで入口部分です。

すぐ横には日本っぽい交通アイテムが配置されています。

ちょっと柵が多いのを除けば、意外と出来はいいです。横断歩道信号をつけている灰色のポールが日本のよりちょっと白っぽいかな、と思えるくらい。この辺は別に動いていません。信号の絵を含めて飾りです。

そのまま中に入ってみます。

店が営業していればここのところに何かがあるはずですが、ほとんどゴーストタウンです。

ここの地面も日本の道路っぽくはしようとはしています。

文字は間違っていませんが、文字の書き方は普通ですね。道路ペインティングっぽさはあまりないのが違和感だと思います。まあでもここまで真似るだけでもすごい。

よく見ると、それも少し荒れています。

タイの強い日差しには耐えられなかったのかもしれませんね。それにしても屋根の荒れ具合がさらにゴーストタウン感を増しています。

ゴーストタウン感といえば、これも。

元はちゃんと飾ってあったのかもしれませんが、これだと廃棄されたスクラップ感が増しますね。それが狙いなら逆にうまいですが。

イチバステーション、おそらくイチオシのフォトスポットがここです。

バス乗り場っぽかったり、自販機っぽかったり。これらは別に使われているものではないです。

自販機コーナー。

「ドリンクマシン」は間違っていないけど日本だとあんまりその名称にはしないんじゃないかな。この微妙な惜しさが逆に愛おしくなります。

でも、みなさんが気になっているのはそこじゃないですよね、たぶんここでしょう。

わかっているような、わかっていないようなネタ。なぜここでこれを選んだ。本当にデザイナーの真意を確かめたくなります。

バス待合場所には、それっぽくない絵もあります。

たぶんこれ、頭文字Dの一場面からの転載じゃないかと思います。

というのも、これがあったからです。

これも完全に飾りです。少なくとも営業してません。たぶんここで写真を撮るためのオブジェじゃないかと。

おそらくこの奥は駐車場です。

だって駐車場の印があるから(たぶん違う)。しかしなぜえべっさん前。

金額的にバーツ建てじゃないので、

この辺もタダの飾り、と思ったほうがよさそう。というか、ここが駐車場だとすると導線が悪すぎます。たぶんここから奥には関係者の車しか入れないんじゃないかな?

目線をバス待合に戻すと、

京都と、東京都下と、鹿児島の情報が並列しています。そして2017年と2020年。たぶんその少し後で画像情報を手に入れたんでしょうね。おそらくネット経由だと思いますが。

さらにバス待合の右側が、市場駅CAFE。

これももちろん営業していません。縦書きで長音の向きを間違えるのは日本語素人あるあるです。しかし、ここのオーナーは知っててやった可能性すら見えてきました。

タイムスパーク、あるいはタイムスカーレンタルの柵の向こう側。

全然人がいないのに、高級車が沢山駐車しているのが気になります。これは関係者の車なのか、それとも売り物なのか。

実はこの左側は少し広い広場になっています。

何もないと、逆にここで何をするつもりだったのか気になりますね。

実際、

ステージが作ってあったんじゃないか、という雰囲気に見えなくもありません。

右側のさらに奥、

たぶん露店がいっぱい並んでいるのを想定していたのだろうな、とは思います。もうそれが本当にあったかどうかすらわかりません。

これを撮っている裏には裏で別の施設があるのですが、さらに奥の方、つまりこの写真の左手の方をもう少し見てみます。

ちゃんと営業していれば、この間いった鉄道市場に近い施設になってるんじゃないかな、とは思いますね。

さて、先ほどの背中側。実は現在ここはちゃんと営業しています。

まあ、何がなんだかわからないかもしれません。

営業していると言っても、

周りの出店スペースは完全に空きですしね。

こうしてみるとわかりますかね。

屋内に凸凹があります。

さっきのところを別方向から。

つまり、こういうことです。

ここはスケートボードパークになっていたんですね。

場所の名前は、「Maple Skate Park」のようです。

ドリンクの準備をしているだけに見えますが、後ろの注意書きを見る限りここが受付もやっているようです。

今客は全くいませんが、年中無休で、今もいちおう開店時間のようです。

大人子供は、身長で区別するみたいです。

そう言えばさっきのところに身長計がありましたね。

でもまあ、ここの片隅には物置みたいになってるところがありますし、

ここも長くないのかもしれません。

パークの裏手には鳥居がありました。

神社がないので、これもただの飾りですが。赤色は意外と長持ちしますね。

さて、先ほどの広場に戻ってきました。

写真の右奥、入口から考えると向かって左側に何か気になる設備があります。

上の方には東京メトロのマークがありますね。

むしろなんか終末感が漂っています。

実はここは「市場駅」の入口だったようです。

もちろんそんな鉄道はここには走っていないし、ここもただの飾りですけどね。

いや、鉄道っぽいものはあるんですよ。

もう使われていないけど、当初は食堂として使われていたのかもしれません。

広告も飾られていました。

たぶんネットの画像から適当にコピーしてきたやつで、当然不二家はスポンサーになっていないだけでなく、許可も出していないと思います。

広告看板と言えば、グリコ看板もあります。

なんか日焼けしていて、本当に終末感が強いです。

むしろ安い映画のロケにちょうどいいのでは。

鉄道車両っぽいのの裏側は、もうほぼ外です。

おそらく、車で来た本当のお客さんはここから後ろの方にある本当の駐車場に停めるのでしょう。

休憩場所も残されています。

この炎天下で座ろうとは思えないので、夜用なのかな。

改めて看板を眺めてみると、ここはお土産屋さんだったようです。

コスプレのお土産というのがどんなのか、ちょっと興味がありましたが、もう開いていません。

改めて、入口近くのアーケードを眺めます。

奥に見える高架は、先ほどまで乗ってきたモノレールの駅です。モノレールが開通するのがあと1年早かったらこの市場ももう少し流行っていたかも。ちょうどその頃は日本には渡航するのが難しかったですしね。

まあ、来た時間帯が悪いだけかもしれません。

夜にこういうの見たら、雰囲気よさそうですしね。

でも、実際はこうです。

たぶんここ、夜も営業していないと思います。

意外と、流行ったときのことは考えているとおもうんですよ。

ただ、我々以外にはほとんど人がいないんです。少なくとも客は1人もいません。

不思議なのは、それでいてここ完全にゴーストタウンではないんです。いちおう営業している店はあります。

こちらは日本料理店。カレーと揚げ物が主体ですが、まあそれなら衛生的には大丈夫でしょう。
まあここは来た時には人がいなかったので、撤去し忘れかもしれません。

こちらはつみれ料理店。

つみれ(ルークチン)はタイ人が好きな具材ですからね。いろいろ料理もあるみたいです。

ドリンク店もあります。

前の店と合わせて、最低限の食事は出来るようですね。

来た時に発見したガンダム

残骸と言うよりは、最初からこういう形で置いていたかもしれませんね。

ちなみに、日本風の町並みに見える一因は、これにあると思います。

もちろんこの桜は造花です。散りません。

実際、引きで見るとそれっぽくなります。

あれじゃない? 「銀魂」のコスプレ写真を撮るのにはちょうどいいのでは?

ただ、ここはタイなのです。

油断するとすぐにタイ要素が入ります。

というわけで、こんなところで「市場駅」は一回りでした。

ポテンシャルはあるけれど、ちょっとそれが満たされていない感じの施設です。モノレールの開通をきっかけに、なんとかもつといいですね。

実際、コスプレの写真会場としてはほどよくフェイク感があっていいと思います。

廃墟寸前なのが、その要素を増やしてます。それじゃあ長続きしなさそうでもありますが。

*1:タイ語で「市場」という意味