新海誠作品がどれだけこの法則に従って作られているか。

はじめに

新海誠は女の子に喜ばれない - ハックルベリーに会いに行くブクマコメントに、こんなことを書きました。

そんなことより、全ての作品が「中学で別れた女を大人になるまで忘れられず再会したい男」と「好きな男からふられる女」の組み合わせで出来てるところから、新海のトラウマを察してやれよ。

http://b.hatena.ne.jp/shidho/20090314#bookmark-12515828

そんなことより、って、もちろん吉野家コピペのあれです。ええ、このブクマ、ケータイからのもので、元のエントリは全く読んでいません。あと、家に帰ってきてからちょっとだけ眺めましたが特になんらかを書くほどのエントリでもないみたいです。あとはアニメと男女関係に詳しい、ご近所の若い衆にお願いしたいところで。

で、自分としては若干煽りっぽく上記ブクマコメントを残した後始末をつけようかと。
もちろん、新海誠作品を見ている方には周知の事実*1なので、以下は蛇足も蛇足。読まなくていいと思います。

対象となる新海誠作品というのがどのくらいあるのか。

いや、意外と、と言ったら失礼ですが、新海誠、それなりの数のアニメ作品を作ってます。エロゲー(minori作品)のオープニングも複数あるみたいですね。

新海誠 - Wikipedia
Other voices -遠い声-

まあ、エロゲーに限らず、ゲームのオープニングについては除外していいと思うんです。登場人物の造形もストーリーも別の人ですよね。もしかしたら光線とか出す小物から本人の深層心理を推し量れるのかもしれませんが、そういうのも心理学だか精神なんとかとかが得意な人にお願いしたいところで。

実際に法則を確かめてみる。

遠い世界
これは公式サイトで見られます。女性のモノローグ。相手からは受け入れられていないけど、相手にふさわしい相手が出来るまで付き合うことを決心して終わります。

彼女と彼女の猫
たしか、「ほしのこえ」のおまけ映像として収録されています。ただし、後述の廉価版には収録されてないみたい。
ここに出てくる男は主人公の猫。猫に中学時代があったかどうかは微妙です。
女は2人。主人公の猫を飼っている女性と、猫のガールフレンドですね。女性の方はどうも何らかの別れ話があったようです。猫のほうはいちおう付き合っていますが、寄ってくるから付き合っているだけみたいですね。

ほしのこえ [DVD]

ほしのこえ [DVD]

ほしのこえ
ということで、いっぱい売れて、本のおまけについたりして、廉価版も出たりした「ほしのこえ」です。

ここも女性は2人。ミカコと、あとノボルとちょっとだけ付き合うことになった(たぶん後輩の)女の子。小説版とかコミック版とか読むとまた話は違ってくるとは思いますがここで考える対象にはたぶんならないですよね。
男の方の主人公であるところのノボルは、高校にあがる直前、中学の時にミカコと離ればなれになりますね。このあとなんだかんだで就職するまでミカコのことを忘れていないことがわかります。
ミカコはまあ法則通り、ということでいいんでしょう。ノボルと付き合うことになってる女の子もなんかあんまりいい扱いにはなってないみたいですね。

「笑顔」

みんなのうた「笑顔」 DVDシングル

みんなのうた「笑顔」 DVDシングル

女性が1人出てきます。あとはハムスター。
で、これですが、DVDに背景ストーリーが収録されてますよ、ってことで。
ええ、別れてます。

雲の向こう、約束の場所

とりあえずDVD版で。ブルーレイ版も出てるんですよね。(欲しい人は適当に検索して買って下さい)

あらすじとか探せばわかるとおり、男性は2名出てきます。2人とも、同級生のサユリが気になっているけど、その後サユリは中学3年の夏に転校していなくなっちゃうんですよね。奇しくも転校時期がほしのこえ同様の中学3年というのは偶然ですよね、たぶん。

ところで、このDVD版、パッケージの裏側にポエムが書いてあります。これについては発売された当時に触れた人もいるのでその辺は探して頂ければいい、というか、同梱の冊子にもその話は書かれているのですが、新海誠本人が「きみのこえ」の作詞に先立って書いたイメージテキスト。

ずっとむかし、世界が君を隠してしまったから、
君の顔もかたちも、今ではよく思い出せない。
いつかきみと、何か大切な約束をかわしたような気がする。
あれから僕は息を止め続けるように毎日をくぐり抜けてきて、
いつのまにか、その約束すらも思い出せない。
僕はいま正しい場所に立っているのかどうかも分からない。
きっと僕はこれからもきみを失くし続ける。

なるほど秒速5センチメートルでの"One more time , One more chance"につながるんだな、と。
あ、そうそう。サユリのほうはサユリのほうで、再会したとたんにノボルとの夢の中での思い出をなくしてしまう、という展開。法則通り、と言っていいですか?

秒速5センチメートル
3話オムニバス。
あー、なんだか面倒くさくなってきたので簡単に、
男、遠野貴樹、中学で文通するも疎遠に。
女、澄田花苗と水野理紗、それぞれ、それなりに、そういうことになって。
つうことでいいですよね。
そういえば小説版、全然読んでない自分が改めて書くことでもなさそうだし。

信濃毎日新聞 テレビCM
これ、新聞のCMとしては異色ですよね。
新聞はぎりぎり1シーン、どこか遠くに行ってしまうお父さんの乗っている電車を追いかけて、という。


これが当てはまっているかどうか、は皆さんの解釈次第。
が、これがやはり別れ、だとして、あと本当に「トラウマ」なんてものがあるとして、いろいろ邪推が出来たりするのかな、と思ったり思わなかったり。

以上、これらの考察をもって、新海誠が女の子に喜ばれる可能性があるのか否か、喜ばれるDVDがもし仮にあるとすればどれを選べばいいのか、ということを考える参考にして頂ければと思います。

*1:だから★がついたんだと思う