タイ旅行でiPad2(とsimフリーのガラケー)がすごく役に立ったので、まとめ。

先日、短期間ですがバンコク近郊に出かけてきました。今回はいろいろ通信機器も持っていきまして、いろいろ通信なども試しました。その結果いろいろ役に立った話をまとめておきます。

なお、これは2012年6月現在の情報で、今では変わっていることもあります。基本的には下にあることをご了解の上、新しいエントリもご覧ください。(→タイ旅行でiPad2はもう持ち込まなくてもいいかもしれない、というまとめ。)

タイのケータイ通信キャリア。

タイで3Gのキャリアは大きくわけて4つ。AIS,DTAC,TRUE,TOTです。

AIS

まず、AIS。1-2-Callってブランドでケータイを売ってます。ローミングで業者を選ぶときは、"TH GSM"って業者を選びます。

ソフトバンクの海外パケットし放題、そしてドコモの海外パケホーダイの対象業者になっています。

DTAC

Happyってブランドでケータイを売ってます。個人的には、映画のスポンサードでよくここのブランドを見るなあ、くらいの印象でしたが、けっこう大変なことになりましたよ。

TRUE

タクシン元首相がオーナーってことでも有名なTRUE。ローミングでは"Orange"って名前で出てくることがあるそうですが、今回はTRUEそのままの名前でありました。

ドコモの海外パケホーダイの対象業者、つまりタイでドコモをローミング使用するときにはAISとTRUEの両方が選べるんですが、こっちのほうが3Gのエリア広いので、ドコモならTRUE一択ですね。

TOT

もともと固定電話の業者だったTOTが、3Gサービスを始めたもの。実際にはMVNO業者と契約することになりまして、そのMVNO業者にはi-mobileとかi-KOOLとかいった会社があります。

AIS,DTAC,TRUEの3社は2G(EDGE)のサービスと、3Gのサービスを併用してますが、TOTは3G専業です。

ただ、併用している3社も3Gで使っている周波数が別々のため、海外から持ち込んだケータイでは特定のキャリアで3Gが使えない、なんていう場合があるそうなので、ちょっと困りもの。

今回は4つの通信機器をタイに持ち込みまして、結果的に4社全てを使いました。

空港の入国審査の待ち時間に、ガラケーiPhone,2台のローミングを。

現在、私はドコモのガラケーソフトバンクiPhoneを2台持ちしています。さらに、ガラケー(SH-10C)は去年のうちに公式にSIMフリー化しています。とはいうものの、ドコモのガラケーではローミングでの同番号待受をするので、そうそう現地のSIMを入れるわけにもいきません。

ただ、ドコモは海外通話、海外通信にも月々の無料通話分を使える、という利点があるので、普段無料通話を2ヶ月まるまる余らせている人が短期滞在するなら、それほどおびえなくていいかも。ガラケーなら、バックグラウンドでの通信もあまり多くないしね。

飛行機に乗る前に全ての通信機器はセルフモード(もしくは機内モード)にしているので、それを解除。海外通信の設定で業者を検索して、ドコモはTRUEを、ソフトバンクはTH GSMを選択。少し経つとどちらの業者も、SMSで海外通信に関するお知らせが届きます。そうしたら、iPhoneではモバイルデータ通信をオフにして、不要不急の通信をしないようにします。

まあ、慣れていれば、2台あっても10分くらいで設定は完了。スワンナプーム空港の入国審査待ちにはちょうどいい暇つぶしです。

税関を通ったら、現地のSIMを買う。

持ち込んだ通信機器、3台目はiPad2でした。iPad2SIMロックは、国内のみ限定なので、海外のSIMなら問題なく使えます。普段は家の無線LANでのみ使用しているこの機械に、購入したとき以来初めてのモバイル通信させちゃいます。

TOT以外の3社は、空港の出口にsimカードを買うカウンターがあります。そのうち、今回はDTACを選択。後ほど、使い放題のプランに入る布石です。

カウンターでは1日使い放題99バーツのsimを1枚購入。アクティベート済なので、挿せばすぐ使えます。窓口では、旅行の日程分SIMカードを買うことを勧められますが、複数日購入はしません。リチャージ(現地ではRefillもしくはTOP UPと言います)して、もっと安いプランで使えるからです。

ちなみにこちらのSIM、MicroSIMと普通のSIMの両用です。iPad2見せたら、窓口の方でMicroSIMの大きさで切り取って交換してくれました。余った部分はそのまま。あとで自己責任で余った部分を切り取れば、普通のSIMとしても使えます。抜いたソフトバンクのSIMは、カードにセロテープ止め。なくさないようにしないと。

ところで、この旅行者向けSIMカード、1日使い放題、って言ってますが、実際には開通したときから翌日深夜0時までまるまる1日ちょっと使い放題でした。ちょっとお得な気分。

宿について一段落したら、コンビニに行く。

コンビニ、空港の地下にもあるんですけど、荷物も重いので、そういった作業は宿に着いてから。

で、コンビニで何をするかと言うと、Refillを買うんですね。スクラッチカードがある、っていう話だったんだけど、近所のコンビニにはありませんでした。

じゃあどうするかというと、レジの人に「DTACのREFILLを200バーツください」って頼むんですね*1

その他に、オンラインでその場リフィルしてくれるサービスもあるらしいですけど、まあいろいろナンバーの書いてあるレシートでリフィルできる手段を持っているのでそちらは調べませんでした。

宿に戻って、TOP UPして、使い放題サービスに入る。

ということで、その手段「DTACのカードをドコモのガラケーに入れてTOP UP」を。
*100*(Serial)(ID)*9# 宛に電話する(最後に通話ボタンを押す)と、その電話に入っているSIMに対するTOP UPが出来るんですが、そう、これ電話機能がついていないiPad2では出来ない操作です。もちろん、iPadは公式にタイでも売っていますから、おそらくオンラインか何かでrefill可能なんでしょうけど、出来ることが判っているならそれをやる方が簡単、ってことで*2

で、TOP UPした金額を、1週間定額サービスに注ぎ込みます。
こちらに書いてある(今は微妙にURL変更されてるっぽい→こちら)とおり、1週間使い放題*3のプランが、199バーツで用意されています。REFILLを200バーツ買ったのはこのためでした。

この作業も電話。*104*28*9#宛に電話をかければ、サービス入会作業終了。このサービス、先ほど入った1日使い放題のサービスを使い切ったところでスタートしますので、すぐに入っても大丈夫。これで、1週間くらいの滞在ならiPad2が使えるようになりましたよ。

i-koolのSIMを入手する。

持っていった通信機器の4台目はe-mobileのGP02です。いわゆるモバイルルータ。
HUAWEIのこの機種、噂によるとまあ世界のどこの周波数でも3Gでいける、なんていう話もありますが、まあ噂に過ぎないので、e-mobile推奨の1.7GHz帯もしくは2.1GHz帯のW-CDMAで使うことにします。そうなると、選択肢は実はTOTしかありません。

i-KOOLのSIMの問題点は、売られているところが限られているところ。そのうえ、サイトに書かれている販売店一覧も、全部タイ語です*4

2012年6月現在、i-KOOLの料金プランは、「500MBで99B」と「1GBで199B」というプロモーションがあるそうです。ただ、1GBで199BのSIMカード、自分は見つけられませんでした。そもそも「i-KOOLを売ってる店がいくつかあるよ」と言われていたMBKですら、結果的に2店舗しか見つけられなかったうえにうち1店舗は500MBで250Bというボッタクリ価格で売っているというありさま。しょうがないのでいちおう値切った(200B)し、海外パケットし放題の値段を考えればそれでも安いと言えば安いのですが……。

なお、ボッタクリでない価格で売っている店は、MBKでは7Fにありました。
シネコンの裏側に、ネットカフェやらゲーセンやらBLショップやらフィギュアショップがあるオタクフロアがあるのですが、その中の一番大きくて値段の安い*5ネットカフェに。どこもかしこもケータイ関連売り場でどこにSIMカードがあるのか探すのに苦労する4Fでうろうろするより、こちらの方が見つけやすいと思います。

こちらのSIMも、アクティベート済*6なので特に作業せず使えますが、モバイルルータのAPN設定が必要です*7。「設定名はinternet、ユーザー、パスは空欄」ですね。アクティベートができていても、APNを設定しないと繋がりません。

iPhoneをモバイルルータ経由で使うようにする。

GP02が繋がったら、海外パケットし放題はほぼ不要になります。電話が不要なら機内モードON、電話が必要ならモバイルデータ通信OFFにして、Wifiでどうぞ。問題はまあGP02の電池の持ち時間くらいでしょうか。半日でけっこうなくなってしまう感じです。通信量のほうですが、個人的にはいろいろ調べ物したり遠隔で仕事したりしたので、500MBは2日くらいで使い切りました。

それぞれの使い勝手。

ドコモの電話はそのままです。世界時計で東京の時刻と現地時刻と自動的に世界時計モードになりますし、メールは普通にプッシュで送られてきますし、仕事の電話もかかってきます。車内通話がマナー違反とか言われない国ですから、車内でそのまま対応も可能。考えてみたらSMSとか現地のSIMで送受信する必要がある関係上、この電話がなければいろいろ詰んでました。エリア的には、TRUEの3Gもそこそこ広いです。AISよりはこっちのほうがいい感じ。

iPhoneは電車のなかでは使いやすいですね。やはり小さいのはありがたい。今回は事前に"ICT Care"というバンコク市内の渋滞情報アプリを入れて行ったのですが、空港の行き帰りに電車を使うか、タクシーを使うかの判断が出来ました。
また、タイ語キーボードを入れておくと、事前に地名などをメモしておくのに便利です。翻訳にもつなげられますし、これも役立ちました。
ただし、今言ったとおりAISの3Gはエリアが狭い。もう少しエリアが広いと良いなあと思います。

エリアが狭いと言えば、一番狭いのがi-KOOL。南はサムットサコーン(国鉄マハーチャイ線の終点近辺)、北はドンムアン過ぎてしばらくしたら繋がらなくなりました。入手の労が多い割には、外出先では使いどころが少なめでした。まあ、iPhoneで撮った写真をアップロードするには便利でした。Wifi経由なので、撮った写真がどんどんiCloudに上がっていくんですよね。
今回は使いませんでしたが、コンビニRefillが出来ない分、オンラインRefillが出来るかどうかが今後のカギになりそうです。

そして、今回一番便利だったのがDTACとiPad2の組み合わせ。これ最強です。
これがあればiPhone要らない。BTSやミニバス(ロットゥー)、繁華街や観光地など外でも、タイ人にタブレット端末、けっこう使われてました。
さらに、iPad2って電池も大きいですから、1日使っていても追加のバッテリーが要らない、という利点が、旅行先ではかなり有効に機能します。
また、地図も大きく映せるので、行き先を調べやすい。GPSで現在地がわかることがこんなに心落ち着くものだったとは思いませんでした。3Gのエリアも広いのでさくさく通信できるし、タイ旅行にはiPad持っていくと良いですよ。

おまけ

今回、GPSを使って判ったことがもうひとつありました。
昔から、どこを走ってどこで止まるのか、特に本当にバス停のあるところで止まるのかが謎だったバンコクのバスですが、意外ときちんとバス停で止まっていることがわかりました。これ、もしかしたら今回最大の収穫だったかもしれないなあ。

*1:言うんですね、っていうけどまあなんて言うのがいいのかな。適当に「あお リフィル ディータック そんろーい バーツ かっぷ」とか言ったらレシート買えました。

*2:ちなみに、オンラインでrefillできるDTACの会員サイトですが、登録すると登録確定のためのワンタイムパスワードがSMSで送られてくる都合上、SMS送受信の出来ないiPad2だけでは簡単には登録が出来ません。

*3:ただし使用量が1GBを越えると速度制限あり

*4:ただし、これ、google翻訳で英語に翻訳すると、そこそこ読めるようになります。

*5:とはいうものの30分15バーツなので一般的にはちょっと高め

*6:だということは後にわかりました。ぼったくりの100B分は店の人の小芝居料金と言うことにしておきます

*7:GP02のAPN設定方法は事前に調べておいてください。