スキー場オタが非オタの彼女に岩手のスキー場を軽く紹介するための10場

もう完全に旬を逃して一回りしそうになっているネタですが。

まあ、どのくらいの数のスキー場オタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、「オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、 その上で全く知らない岩手県のスキー場世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、岩手のスキー場のことを紹介するために見せるべき10場を選んでみたいのだけれど。

(中略。いくらなんでもこれを脱オタクファッションガイドの逆とは呼べまい。)

あと、いくらスキー場的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。
新雪ジャンキーが『八幡平スキー場』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。*1
そういう感じ。

彼女の設定は

  • スキー場知識はいわゆる「学校のスキー山」的なものを除けば、「スノボ禁止のゲレンデがあった」程度は知っている
  • サブカル度も低いが、頭はけっこう良い

という条件で。

まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。

安比高原スキー場岩手県八幡平市

まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「APPI以前」を濃縮しきっていて、「APPI以後」を決定づけたという点では外せないんだよなあ。ダウンヒルの長さも5.5kmだし。
ただ、ここでオタトーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。
このエピソード過多*2なスキー場について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に伝えられるかということは、スキー場オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。

八幡平リゾートスキー場(岩手県八幡平市)、下倉スキー場(岩手県八幡平市*3

アレって典型的な「オタクが考える一般人に受け入れられそうなスキー場(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのものという意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには一番よさそうなスキー場なんじゃないのかな。
「スキー場オタとしてはこの二つは“選択肢”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。

網張高原スキー場(岩手県雫石町

ある種の地元スキーオタが持ってるゲレンデへの憧憬と、岩手山縦走のオタ的なツアースキーへのこだわりを彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにも老舗スキー場的な

  • 「童貞的なださカッコよさ」を体現する夏季限定露天風呂「仙女の湯」*4
  • 「童貞的に好みな女」を体現する網張ラーメン

の二つをはじめとして、オタ好きのするアイテムを付近にちりばめているのが、紹介してみたい理由。

雫石スキー場(岩手県雫石町

たぶんここを見た彼女は「西武の典型的なリゾート開発だね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
この系譜のスキー場がその後続いていないこと、これが苗場では大人気になったこと、苗場ならホイチョイ実写映画になって、それが日本でブームになってもおかしくはなさそう*5なのに、西武のリゾート開発がそもそもやばそうなこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。

奥中山高原スキー場(岩手県岩手町)

「やっぱりスキー場は公営がいいよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「村営くのへスキー場」でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、このスキー場にかける地元民の思いが好きだから。
断腸の思いで作りに作ってそれでも高速リフトなし、っていう割り切りが、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、その「運営する」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。
リフトの遅さを俺自身は遅いとは思わないし、意外と速いだろうとは思うけれど、一方でこれが宮城や福島だったらきっちり高速リフトにしてしまうだろうとも思う。
なのに、各所に頭下げて迷惑かけて温泉浴場を2つも優先して作ってしまう、というあたり、どうしても「自分の物語を形作ってきたものが捨てられないオタク」としては、たとえ岩手町がそういうキャラでなかったとしても、親近感を禁じ得ない。スキー場自体のアメリカンな雰囲気*6と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。

山スキー場(岩手県八幡平市

今の若年層で田山スキー場行ったことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
岩山パークスキー場*7よりも前の段階で、スキー学校の哲学とか幼少時の習得技法とかはこのスキー場で頂点に達していたとも言えて、こういうクオリティのスキー場が三ヶ田礼一を育てるために存在していたんだよ、というのは、別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなく地元好きとしては不思議に誇らしいし、いわゆる北海道や長野でしかジャンプ台を知らない彼女には見せてあげたいなと思う。*8

鉛温泉スキー場(岩手県花巻市

花巻の「馬面電車廃線跡」あるいは「宮沢賢治設計の花壇」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。*9
「路線バスでスキー場直結」的な感覚が地元オタには共通してあるのかなということを感じていて、だからこそ八幡平冬期間運行の路線バスはボンネットバス以外ではあり得なかったとも思う。
「日常化した祝祭を生きる」という地元オタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの気分」の源は鉛温泉スキー場にあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。

岩手高原スノーパーク(岩手県雫石町

これは地雷だよなあ。*10地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
こういう一度休業したスキー場が子供料金無料を伴って復活したことを紹介して、それが非オタに受け入れられるか気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。

夏油高原スキー場(岩手県北上市

9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的に夏油高原を選んだ。
安比高原から始まって夏油高原で終わるのも加森観光的に収まりはいいだろうし、ストリート文化以前からのスノーボード時代の先駆けとなったスキー場でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいいスキー場がありそうな気もする。
というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10個目はこんなのどうよ、というのがあったら教えてください。

「他に岩手にスキー場ほとんどないだろ。俺が他県でリストを作ってやる」というのは大歓迎。
こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。

*1:八幡平スキー場は運営破綻して、後継も見つかってない。

*2:亀倉雄策デザインにまつわる数々のエピソードとか、北斜面とか、トニー・ザイラーって誰よとか、さだまさしのセイ!ヤングとか、本当にネタはいっぱいある

*3:なんのかんので同一経営になりました。スキー場間は連絡バスが走っています

*4:屋内風呂は源泉かけ流しで冬期も営業してます

*5:というか、ブームになった

*6:三沢基地が近い関係でアメリカンな人が多い

*7:盛岡市内にある。盛岡市内の小学生はこのスキー場でよくスキー教室に通った。暖冬やらなんやらでここのところ休業しがち。

*8:ジャンプ台があるのは岩手県内でここだけです

*9:しかもそれは鉛温泉とは若干関係ない

*10:まあ、別に地雷でもないか