サマータイムは一体どうなってしまうの

タイトルについての話はたぶんはてブキャッシュを見ればわかるということで詳しい説明はしないとして、昨日のエントリについたブクマコメントより。

2008年05月29日 b:id:mohno 「先進7ヶ国(G7)で実施していないのは日本だけ」あたりへの反駁も必要かと。

一部編集しましたが、こういう話。

夏時間を採用していないのはG8中日本だけ、という事実そのものは間違っていない。

でもねえ。G7がG8でも、先進7か国で実施していないのは確かに日本だけなんですよね。この話そのものは正しい。
この辺言い方の問題で、例えば、Firefox3同時ダウンロード記録に挑戦の地図で色が変わっている、つまりダウンロードするつもりの人が多いところは、日本を除けば夏時間採用国ばかりだったりするんですよね。ま、そんな与太話はさておき。

例えば、やるとすれば、まあせっかく緯度データを出したんですから、G7ないしG8内での緯度比較ですかね。こんな感じで。

  • France Europe/Paris EU 48_52 n
  • Germany Europe/Berlin EU 52_31 n
  • Italy Europe/Rome EU 41_54 n
  • United Kingdom Europe/London EU 51_30 n
  • Russia Europe/Moscow Russia 55_45 n
  • United States America/New_York US 38_53 n
  • Canada America/Montreal Canada 45_24 n
  • Japan Asia/Tokyo (no dst) 35_41 n

東京が一番緯度が低いんですよ、他の国はもっと緯度が上なんですよ、という論で行けば確かに反駁できそうな感じもする。ところが、ここでアメリカが邪魔になる。ワシントンDCって緯度から言ったら仙台の北、盛岡の南くらいに位置しますし。そう言えば昔盛岡の北の方に遷都する「北上京構想」なんてのがあったような気もするな、という。ま、この辺の反駁については、(みんながやるからうちもっていうならほかのこともやれよ、という形ではない方法で)、誰かがやってくれることを期待したいです。ここから反論するのは私には無理っぽい。

夏時間のズレとグローバル化

で、昨日作った5度区切り、10度区切りでの国別比較を見ると、北海道は夏時間を採用してもいいような感じになる。いやまあ生活時間を単純にずらす、という方法がとれるなら北海道限定でやってもいいんじゃないの?という人もいますしそれでいいのかもしれない。

ところで、今回G8国別首都の緯度を抜き出す時に、余計な情報を入れておいた。その中のひとつに、各国の夏時間ルールがある。

EU諸国はEU、と書いてあるが、これは件の資料によると、

  • 3月の最後の日曜日、1:00UTCに、時計を1時間進める。
  • 10月の最後の日曜日、1:00UTCに、時計を元に戻す。

と言うことになっている。
EU諸国は現在3つの時間帯に分かれている。時差が最大2時間。つまり、夏時間を実施することによって夏時間あるなしで生まれる時差のズレをなくすために、域内ではUTCを基準時間に合わせているわけで。

これは実は北米も同じような面があって、カナダとアメリカは去年(2007年)から、

  • 3月の8日以降の最初の日曜日(第2日曜日)の現地時刻2:00に、時計を1時間進める。
  • 11月の最初の日曜日の現地時刻2:00(冬時間で1:00)に、時計を冬時間に戻す。

となっている。*1
アメリカと国境を接しているもう一つの国、メキシコは

  • 4月の最初の日曜日現地時刻2:00に、時計を1時間進める。
  • 10月の最終日曜日現地時刻2:00(冬時間で1:00)に、時計を冬時間に戻す。

となっているが、これはカナダやアメリカが2006年まで採用していた方式と一緒だ。こちらでは現地時刻が基準のため、夏時間調整時差のズレそのものは埋めることが出来ないが、近辺の土地では基準を同じにしてなるべく混乱が少なくなるようにしたい、という考えが伺える。実は夏冬で日中時間の差が少ないと考えられる回帰線内に首都を置く国のうち、夏時間を採用している国が4つあるのだが*2、たぶんメキシコの場合、そういうのが採用理由の一つなのではないかと推測している。

ちなみに、日本で現在検討されている夏時間は、毎日新聞のニュースによると

  • 3月の最終日曜日(具体的な時刻は未定)に、時計を1時間進める。
  • 10月の最終日曜日(具体的な時刻は未定)に、時計を1時間戻す。

となっていて、EUはおろか、北米の基準とも微妙に違っている。ローカルのみで過ごす人はともかく、旅行者にとってはかえって混乱の元になるのではないか?と思えなくもないのだが。

近隣諸国との歩調あわせは、何にせよ必要なのかも。

これは精査していないのだが、夏時間を採用している国は、ある一定の地域に固まっている印象がある。緯度が近いから同じような事情で採用している、という理由も大きいだろうが、近隣の時差変動による混乱を減らしたい、という理由の可能性は検討しておいた方がいいのではないかと思う。

翻って日本を考えると、日本の近辺にある国、ロシア、中国、北朝鮮、韓国、台湾、グアム、サイパンASEAN諸国にハワイではロシアくらい、APEC諸国で考えても夏時間を採用している国が少ない、ということ、それら国との行き来やら経済交流でどういうデメリットが生じるか、ということは合わせて主張した方がいいような気もする。

会期末は6月15日、法案提出は来週中?

どちらにせよ、今回も時間はあまり残されていない。反対する人は地元の選挙区に近い党県連などに問い合わせて、選挙区近辺の選出議員がサマータイム推進議連に含まれているかどうかは調べたほうがいいと思う。あっという間に衆参合わせて超党派で250人に増えたらしいので。

*1:カナダは実は地域によって違いますが、そこはご確認下さい

*2:ブラジル、メキシコ、キューバナミビア