民意が極端にぶれる、ということについて

勝ったのは誰だ負けたのは誰だ、いろいろ言われていますが、1人区に限れば、その結果は小選挙区制と同一の結果になることは前提なんでしょうかね?

そう言う意味で、民意が極端にぶれたかどうかは、議席数でなく得票数で比べるべきじゃないかと思うんですが、そこまでしている人はまだいませんよね?いや、自分もやりませんが。まあ、似たところで、与党であるところの自民公明の比例区獲得議席と、民主の獲得議席を比べてみると、21対20。実は与党の方が得票数は多い可能性もあります。5人区であるところの東京だって、確かに民主は議席を増やしたけど、減らしたのは実際は自民ではなく共産だし。

民意がぶれる、って言ったって、実際のところそんなもんですよ。それが大きくぶれるのは小選挙区制度の選挙のせい。勝ったのか負けたのかは知りませんが、こんな結果になったのはこの制度のおかげです。でもって、小選挙区制を(特に衆院で)勧めていたのは自民党*1なんですから、勝ったのは自民党ですね(皮肉)。

ところで、小選挙区制度を「二大政党制になるから政情が安定する」という理由で支持している人は、政情が安定することの目的であるところの経済関連を重視している人が多いと思うんですわ。

でも、経済関連を重視している人の多くは、自民が負けたから株価が下がる、海外から構造改革が進んでないと思われて日本売りが進む、って、まるで自民党が永続的に政権を持ってないと日本が沈没するんじゃないかと思われるほどの狼狽ぶり。

無責任な言い方なんですが、10年に1回くらいは非自民政権が出来てもおかしくない程度の覚悟がないと、二大政党制っていう名目の一大政党制になっちゃうんじゃないかと思うんですが、やっぱりそのほう(一大政党制のほう)が経済関連を重視している皆さんは都合がよろしかったりするんでしょうか。よくわかりません。

無責任ついでに書くと、自民党は「衆院選で結果が変わらない限りは世論調査参院選その他の結果は重視しない」と今回言ったようなもので、かつ今までに、「議席過半数を占めている場合、内容はともかくとして審議時間を作っておけば提案した議案は議決してかまわない」という態度も示しているわけで、そう言う党にさすがに本会議の過半数はしょうがないとしても、流石に安定多数だけは渡せないと思うんですが、まあ揺り戻しが来て次の選挙はまた自民が圧勝するんじゃないかと思うんですよ。もちろんこれは単なる想像ですけどね。でもまあ前に首相だった人もそういうところを考えている節があるようで。

自民党の(少なくとも今までの)強いところは「空気を読んで政党内の再編を柔軟に行う」ところにあるはずで、安倍続投は単純にそのための時間稼ぎじゃないかな、とは思っているのです。そして、その強みがあるから政界再編、とか言っても実際に自民党を出るのは政党内でつまはじきにされた人だけ、という状態が作れる。ある意味自民党議員が一番の年功序列*2制度の中にある。小沢が自民党に手を入れて引っかき回すに違いない、と言う人はそれがわかった上で(たぶん最短あと5年、最長でも10年くらいであろう)小沢についていくために自民を出る覚悟ができる議員がいると思って話すんでしょうね。それとも別の論点なのかしら。

民主党にそれがない、というのは単純にノウハウ不足だけでなく、再編をやった上での論功行賞的旨味がないと言う部分にもある。"影の内閣"の大臣なんかやって、何の得になるのか、という話ですから。
それに、ノウハウと言っても、ある意味みんなプロの政治家ですから、そういう強みって別にノウハウじゃなくて、ある意味作られてきた何かじゃないかと思うんですがそれって外部流出するものなのかしら、とこの辺もよくわからないところですね。わからないわからないで終わっちゃいますが。

自分たちで決めることの強み。

政治関連の続き。マスコミが煽ったからどうのこうの、という話もありますが、まともな政治家ならその辺を含めて使うのが当たり前だとも思うんですよね。

とりあえず昔から日本の雰囲気は、何か悪者を1人みつけてそれをみんなで叩く、ということで出来ている。日本の雰囲気、って書いたけどまあ実際には日本だけでなくたぶん人がまとまるためにはそれをやるのが手っ取り早いんでしょう。テロとの戦い、とか悪の枢軸、なんて言葉を持ち出すまでもなく。

そうすると、まあとりあえず今は野党が安倍を叩くわけで、かつどうせ法案が参院で拒否されるなら安倍政権が何出来るわけでもない。準備が出来るまではとりあえず赤城あたりを叩いてもらっておけばいい。マスコミが何を言おうと野党がなんと批判しようと、本人か首相が自ら辞めさせなければ辞めることはないので、辞める際には「自浄作用がある」という形でアピールすることが出来る。「過去に問題があったがこれから良くなる」という宣言は特に支持者からの説得文句としては効きますし。ついでに政権が止まっている理由をマスコミと野党のせいに出来る。自治労はその次に首相になりそうな人が叩けばいい。そうすれば自治労が言っていた事を素通しにしていた監督責任なんか(労組憎し故に)誰も追及しませんから、良い感じに使える。それほど悪くなかった郵便関連だってあれだけ使えたんだから、自治労なんかもっとうまく使えると思いますよ。

*1:とはいえ、そのころの自民党には小沢一郎もいたような気がしたなあ

*2:終身雇用は整備されてるのかな?よくわかりませんが