パチンコとピンボールの違いは「打ち返せるかどうか」だ。

やっぱりビデオゲームとスロット・パチンコは違うについての、自分なりの回答。

パチンコ、パチスロ、スロットに対して共通するのは、「椅子に座ったら最後、自分で結果をコントロールできない」ということに尽きる。
この中で一番どうしようもないのがスロット。コイン入れたらもう何も出来ない。レバー引くだけ。あとは確率だけでどうにかなる。
パチンコは一応打ち方の基本、というのは存在する。でも当たるかどうかはチャッカーに玉が入った瞬間の抽選しかなくて、特に今の主流の機械ではこの部分以外で台ごとに差を付けることはあまりない。*1
パチスロはコントロールができるかどうか、ということに関してはそれっぽくある。リーチ目を覚えないといけない機種もあったし、その後はきちんと目押ししないといけないし、負けを減らすために細かく稼ぐテクニックもある。でも、大当たりにつながるリーチ目が出たり、目押しで細かく当たるのは、実は当たりが抽選で確定してからだ。これが出るまでは何をやっても当たらない。

これは、ギャンブルに使う機械(ゲーミング機)には必ず必要とされる条件だ。必勝法があれば、その時点でギャンブルではなくなってしまうから。勝つためには、どうしても運に頼らなければいけないようになっている。

もちろんスロット的な機械が日本であまり定着せず、現在の流行の中心がパチスロであることからもわかるように、全く何のテクニックも通用しない機械は例えギャンブル用と言っても通用しにくい。通って遊べば遊ぶほどうまくなるような気分にならなければ、負けてもまた来る、という動機が作れないからだ。

逆にこの部分だけを取り出すことで、パチスロ機はゲーセン用のゲームとしても使うことが出来るわけだ。設定というのがリーチ目が出るための確率の差ならば、この部分の要素を減らせばテクニック主体の機械に使える。極論すれば、そういうテクニックがたくさん必要な機械なら、別にゲーセンにあったって良いんじゃないかとも思ったりする。

もともとピンボールが、運だけのビンゴゲームと違って腕を競うことが出来る、というのは、最初はプランジャー部分と台そのものの操作で、後にフリッパーの操作でいかようにもコントロール出来るからということになっている。
だから、逆にこの辺の操作でもどうにでも出来ない、運が悪ければ強制的に終了、というゲームがあれば、これは景品の払い出しもないのにゲーミング機に近くなってしまう。今主流のビデオゲームがそうなっていないかどうかは常に考えておく必要があるかもしれない。

ちょっと話が外れるが、普通のビデオゲームはそうする動機があまり強くないからいいけど、気になるのは景品の払い出しのある機械だ。その辺の機械はある程度運の要素をきつくする必要があるけど、実は運の要素しかない機械になっていないかどうか。

そう言う機械を別にすれば、ゲームを遊ぶときから金を捨てるつもりになっているわけではないでしょう、と。お金は返ってこなくても、エンディングないしハイスコア、そこまで行かなくても今までより先の画面を見たいと思っているでしょう。そのために腕を鍛えようとするでしょう。そして、普通のゲーム機は腕が上がれば勝つ可能性があるから「game of skill」と呼ばれるわけで、運任せではなく、満足は腕で勝ち取らなきゃいけない。だから勝ちを運に任せて

「見返り(得)なんて期待してないしあたる確率が低いのは判ってる。夢を買ってるんだから、金の掛かったスロットと初めから金を捨てて遊ぶゲームは一緒なんだ」

という言葉は前提からして違うよね、というのがここでの結論になる。

参考文献: それは「ポン」から始まった - アーケードTVゲームの成り立ち (asin:4990251202) 特に第1章。

*1:そこに差を付けることをあえてやってくるから、アドリブ店長の「ロマン」という言葉が生まれるわけだよね