[youtube] せっかくだから、動画アップロードする人は「ドグマ95」を参考にしたら?

 ドグマ95って、詳しくはwikipediaの説明を読んで頂くとして。

 ここに書かれている「純潔の誓い」ってこれ。べつにホニャララ教会が絡んでいるような話じゃなく、なんていうかハリウッド的(もしくは過分に商業的)映画へのアンチテーゼ、として挙げられた内容だったりする。

 youtubeをはじめとして、動画共有サイトが本当に素人動画をアップするためのものであるとすれば、動画投稿する際には「純潔の誓い」を守るといいんじゃないかな、とふと思った。

 商業的なものと同タイプのものを作って競うなら、それはたぶんお金の多い方が有利。「純潔の誓い」は余計なポストプロダクションをなくして、よけいな小道具を減らして、金のかかる照明をやめて、と、予算に難のある監督を救済する方向で作られているのだから、これをそのまま共有用動画の撮影に適用すればいい。

 ただ「ドグマ95」は元々映画撮影、映画公開のルールとして作られたものだから、それをそのまま適用すると無理のあるところは出てくる。

  • 撮影はすべてロケーションによること。スタジオのセット撮影を禁じる。
  • 映像と関係のないところで作られた音(効果音など)をのせてはならない。
  • カメラは必ず手持ちによること。
  • 映画はカラーであること。照明効果は禁止。
  • オプチカル効果やフィルターを禁止する。
  • 表面的なアクションは許されない(殺人、武器などは起きてはならない)。
  • 時間的、地理的な乖離は許されない(つまり今、ここで起こっていることしか描いてはいけない。回想シーンなどの禁止である)。
  • ジャンル映画を禁止する。

この辺までは普通に適用出来るとしても、

  • 監督の名前はスタッフロールなどにクレジットしてはいけない。

これは、投稿者がページに載ることをどう解釈するかによっては難しいかもしれないし*1

  • 最終的なフォーマットは35mmフィルムであること。

これは動画共有サイトではまず無理な話だ。それに、日本で35mmフィルムを扱える人ってやっぱりそれなりに限られるだろう。

 ただ、最後に挙げた条件も、もともとは「安価に撮影できて、どこでも普通に上映出来るようにするために、一番普遍的なフィルムを選択すること」という意味なわけで、共有用動画を単純に排除するつもりで考えたものではないと思う。もともとこの条件も、当初は「35mmフィルムで撮影すること」という条件だったのが、撮影が安価に出来るように変更されて今の条件になっているわけだし、まあその後最終的に映画化するときには35mmフィルムににマスタリングする、つもりでいればそれでルールを守っていることになるのかもしれない。この辺はどうルールを解釈するかだ。

 いわゆる映画以外のこういう短編動画に「純潔の誓い」を適用出来るかどうか、当の映画運動をしている人たちはたぶんあまり考えたこともないんじゃないかと勝手に思ったりするけど、実際やってみれば意外といけるんじゃないかな?

*1:まあ、パンフレットや解説に監督名載せて問題ないわけで、それは杞憂の可能性も高いけど