いいとこ取りでやっていけるかとかどうとか。

Re:テレビ番組のネット最新と地方テレビ局の未来」読んでつらつら考えた。

世の中HDDレコーダーとかビデオオンデマンドとかあるわけで、つまりそれは番組表の切り売りに過ぎないわけだから、まあ今の流れはそっちのほうにあるんだろう。全ての番組が切り売りになる訳じゃなくて、生番組は生で少しずつ残しつつ、まるまる再放送っぽく再配信出来るようにしたり、総集編作ってポイントだけ見られるようにしたりなっていくんだろうとは思う。

実際ネット側の動きをここで強引に見なかったとしても、NHKと民放はサーバ型放送なんてことを考えているわけで、まあその方向は同床異夢だけども、NHKの場合は勝手に切り刻まれないように配慮しつつ好きに見られるように、なんてことはこの前の技研公開2005で「桜咲く頃」なんて場内限定公開のドラマで見せていたわけだから。

さてとりあえずCMカットは出来ない(もしくは、CMカット出来る素材はきちんと有料になる)という前提が成り立ったとして、TV広告はその形で流されることを好むんだろうかと。そこのところがちょっとわからない。確かに興味のないCMばかり流れるのは苦痛なんだろうけど、その苦痛は「思いもよらなかった情報に出会えた喜び」と紙一重なんじゃないだろうかと。もしきっちり個別広告入れられたら、自分は「キューピーのたらこ」とか「夜の私はガードが堅いの」とか見られたんだろうか。そもそも話題になったんだろうか。

マーケティングってどんどん高度化していって、ついでにモノ系ギョーカイワナビー系雑誌ではマーケティングの成功例ばかり載せているから忘れがちなんだけど、実際思いもよらないところからの人気が出てくることがたまにある。この確率がどの程度だかきちんと把握できてれば、CMを入れる入れ方に適当な揺籃をかけてやることで期待値を最大化することは出来るけど、思いもよらないやり方の確率なんてどうやって求めるんだろうなと。

ていうか、ターゲットとしている人だけに配れる特性のある媒体はそれなりにあるわけで、そういう媒体にテレビが同一化していく理由はあるんだろうか。*1

話はがらっと変わって。

IPで伝送出来れば地方局にもチャンスがあるじゃん、って話。これは買いかぶりすぎだ。いや、やる気のある地方局なんてないよ、って言ってる訳じゃない。そういう局はそれなりにあると思う。でもそういう局ですら、東京から落ちてくる金がないとどうにもならない面が多い。

例えばテレショップ。テレショップは流すだけでお金がもらえる*2からここで金を稼いでおいて、そういう「力を入れている」番組の販促にお金をつぎ込む、という手はたぶんいろんなところで行われているはず。総合編成つうのはそういうことだし、面白い番組てのは一朝一夕では成り立たないから地方局に限らずそういうことは当たり前のようにやってるだろう。*3その辺は、考え方でうまく対応できるところは対応できるのかもしれない。キー局以外は準キー局が数局、残りの新幹線開通地域の大都市圏が全部合わせて数局、あと北海道と沖縄を含めた残りの地方で数局。なんだ、プロ野球とかJ1の分布と一緒か。それで十分といえば十分なのかもしれないね。

どちらにせよ、東京(もしくは大都市)集中は変わらないと思うよ。もしIP放送でエリアがなくなったら、とりあえず地域的にどこの視聴者を攻めるか、っていったら大都市だから。それに、タレントはギャラ+交通費で使うわけだけど、地元のタレントなら交通費はタクシー代、他から呼ぶなら交通費はグリーン車代だから。この部分まで変わるまでにどれだけの変化があるか。そのまま市場に任せればたぶん全て東京に集まるだけだろうし。*4まあみんなそうなって欲しいと願っている節があるからそれで幸せなのかもしれないね。

*1:見る側にとっては価値はあるだろうが、ここでは広告を出す側の選択として

*2:まあ一概には言えないのだけど

*3:それがネット放送局であっても

*4:実際大阪の局も撮影は東京でやる、という場合がとても多い